本を読む本

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)


「本を読む本」。まさにズバリなタイトルである。
もしかしたらこの本をずっと待ってたのかもしれない。


小学生のときの読書感想文。どう書いていいのかよく分からず書いたものの、親や先生にほめられた記憶なし。このせいで本を読むのが嫌いになったような気もする。
社会人になって、必要にかられて、ということもあるけれども、読書がかなり好きになってきて、少なくとも読書する習慣がついた。
しかし、大半の内容を忘れている。。。
娯楽的な本ばかりであればそれでもいいけれども、むしろ自己啓発の類が多いのに忘れてしまっている現状。
本を読んだだけで読書家になっているつもりで、実際は全然身になっていない。。。


本書はそんな悩みに真正面から答えてくれる本だ。
本書から引用すると、

一生のあいだずっと学び続けるには、いかにして書物を最良の師とするか、それを心得ることが大切なのである。この本は何よりもまず、そのために書かれたものである。

とあることからも分かる。そしてこのことこそが、この本のテーマでもあるのだ。
本書の中で面白かったのは、読書もコミュニケーションであると言っている点だ。
著者は本を通じて自分の経験、考えを述べる。読者はそれを読んで理解する。
・・・というのが普通の読書かと考えるが、本書ではそれだけではまだ足りないという。
本を理解したら、批評すべしと。賛成なのか反対なのか判断保留なのか。理由も述べる必要がある。
ただし批評する際は「理解していること」が前提となる。
で、その理解するための方法をいくつかの段階(読書レベルごと)に分けて細かく説明している。
段階としては4つあり「1.初級読書」「2.点検読書」「3.分析読書」「4.シントピカル読書」である。
ここでは詳細割愛。


僕の場合、理解するというところでとまっていた。というか理解しているかすら怪しかった。
できていないがゆえに、忘れたり身についてなかったりするのだと思う。。
ちょっとずつではあるけど読書が有意義なものになるように本書の教えに則ってやってみようと思う。