博士の愛した数式

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)


結構前に奥さん用にプレゼントした小説で、自分でも読んでみました。
家政婦の「私」と息子の「ルート」、そして80分しか記憶のもたない元大学数学教師の「博士」が基本的な登場人物です。
サイモン・シンフェルマーの最終定理を読んでから数学の奥深さにはまってしまっているので、「私」が数学の魅力にひきこまれていく様は自分でも「うんうん、分かる分かる」と心の中でつぶやいてしまいました。
あとがきにあるのですが、色々と細かい仕掛けがあって非常に魅力的な作品になっていると感じました。その辺は読んでみてのお楽しみ♪まさに作者の「計算」といったところでしょうか。よく練り上げられているなぁと思います。
登場人物3人のやりとりを通して切なさ、愛情、希望のようなものがよく伝わってきます。読後感として暖かい気持ちになりました。
春の暖かな陽光が部屋に差し込むこの季節に非常にマッチした良い本であったと思います。